最上川スワンパークにおける野鳥への給餌禁止の影響について [庄内百景]
新聞各紙の報道によると、酒田市は今シーズンの最上川スワンパークにおける観察者の
河川敷への立ち入りを制限し、野鳥への給餌を禁止するとの方針を決めました。
これは、今年に入り秋田県十和田湖や北海道の湖沼などで見つかった白鳥の死骸から
強毒性の鳥インフルエンザが検出されるなど、その危険性が指摘されているためです。
このような状況から、酒田市では今シーズンにおける最上川スワンパークでの野鳥との
接し方について酒田市白鳥を愛する会との間で意見交換を行い、専門家を招いた「鳥イン
フルエンザと渡り鳥」をテーマにした勉強会で、人と野鳥の直接的な接触を避けるべきだ
との提言を受け、このような結論を出しました。
今回は、その影響について調べるために最上川スワンパークへとやってきました。
ご覧のように給餌場付近にはロープが張られおり、観察小屋はありません。
日中、カモや白鳥のいないスワンパークには、白鳥の像だけがポツンとありました。
もうここでは人間から餌を貰えないということを、鳥たちは悟っている様子です。
それでも、夕方になって辺りが薄暗くなると、懐かしい鳴き声が上空から聞こえてくるでは
ありませんか。昼間、田んぼで餌を食べていた白鳥があちらこちらから戻ってきます。
しかし、カモのいない状況を見てちょっと警戒しているのか、なかなか水面に着水しません。
カモと白鳥は、給餌の時によく喧嘩をしますが、実は意外と仲良しだったんです。
カモのたくさんいる場所は、白鳥も安心して休息できる場所だと思っているみたいです。
場所を変えて、もう少し上流の方へ行ってみることにしました。
地元の方のお話によると、白鳥は例年よりも広範囲に散らばっている様子とのこと。
もし野鳥への給餌を続けた場合、餌付けでごっそり野鳥が集まったところに感染した鳥が
やってきたら、鳥の大量死につながります。また、鳥インフルエンザがひとたび鶏舎に持ち
込まれれば、ウイルスに対して耐性の無いニワトリは病死、生き残ったニワトリも全て殺処分
となり、地域の産業や経済に深刻なダメージを与える可能性もあります。
今回の処置は、野鳥の1か所集中による感染症被害のリスクを最小限に留めるためには、
やむを得ないことなのかもしれません。
給餌の中止による白鳥の餓死が心配だとの話も聞きますが、白鳥はスワンパークの餌に
依存して越冬しているわけではありません。もともと白鳥は、広い庄内平野の田んぼの落穂
等を食べて生活しているんです。
私は、野鳥は人間からの餌に依存しないことが基本だと思っているのですが、大雪が続いて
餌が十分に取れず、鳥たちの体力が落ちてきた場合には、緊急避難的な給餌を速やかに
してあげる体制も整えておくべきとも考えています。
早朝、河川敷を歩いていると、自然観察員らしき方をお見かけします。野鳥に何か変わった
様子がないかを確認しているのだと思いますが、これも野鳥を愛すればこそできる仕事です。
こんな地道な努力が、白鳥たちを守っているんですね。
野鳥が野鳥らしく生活していけるこの豊かな自然環境を、いつまでも大切にしたいですね。
河川敷への立ち入りを制限し、野鳥への給餌を禁止するとの方針を決めました。
これは、今年に入り秋田県十和田湖や北海道の湖沼などで見つかった白鳥の死骸から
強毒性の鳥インフルエンザが検出されるなど、その危険性が指摘されているためです。
このような状況から、酒田市では今シーズンにおける最上川スワンパークでの野鳥との
接し方について酒田市白鳥を愛する会との間で意見交換を行い、専門家を招いた「鳥イン
フルエンザと渡り鳥」をテーマにした勉強会で、人と野鳥の直接的な接触を避けるべきだ
との提言を受け、このような結論を出しました。
今回は、その影響について調べるために最上川スワンパークへとやってきました。
ご覧のように給餌場付近にはロープが張られおり、観察小屋はありません。
日中、カモや白鳥のいないスワンパークには、白鳥の像だけがポツンとありました。
もうここでは人間から餌を貰えないということを、鳥たちは悟っている様子です。
それでも、夕方になって辺りが薄暗くなると、懐かしい鳴き声が上空から聞こえてくるでは
ありませんか。昼間、田んぼで餌を食べていた白鳥があちらこちらから戻ってきます。
しかし、カモのいない状況を見てちょっと警戒しているのか、なかなか水面に着水しません。
カモと白鳥は、給餌の時によく喧嘩をしますが、実は意外と仲良しだったんです。
カモのたくさんいる場所は、白鳥も安心して休息できる場所だと思っているみたいです。
場所を変えて、もう少し上流の方へ行ってみることにしました。
地元の方のお話によると、白鳥は例年よりも広範囲に散らばっている様子とのこと。
もし野鳥への給餌を続けた場合、餌付けでごっそり野鳥が集まったところに感染した鳥が
やってきたら、鳥の大量死につながります。また、鳥インフルエンザがひとたび鶏舎に持ち
込まれれば、ウイルスに対して耐性の無いニワトリは病死、生き残ったニワトリも全て殺処分
となり、地域の産業や経済に深刻なダメージを与える可能性もあります。
今回の処置は、野鳥の1か所集中による感染症被害のリスクを最小限に留めるためには、
やむを得ないことなのかもしれません。
給餌の中止による白鳥の餓死が心配だとの話も聞きますが、白鳥はスワンパークの餌に
依存して越冬しているわけではありません。もともと白鳥は、広い庄内平野の田んぼの落穂
等を食べて生活しているんです。
私は、野鳥は人間からの餌に依存しないことが基本だと思っているのですが、大雪が続いて
餌が十分に取れず、鳥たちの体力が落ちてきた場合には、緊急避難的な給餌を速やかに
してあげる体制も整えておくべきとも考えています。
早朝、河川敷を歩いていると、自然観察員らしき方をお見かけします。野鳥に何か変わった
様子がないかを確認しているのだと思いますが、これも野鳥を愛すればこそできる仕事です。
こんな地道な努力が、白鳥たちを守っているんですね。
野鳥が野鳥らしく生活していけるこの豊かな自然環境を、いつまでも大切にしたいですね。
2008-11-24 17:51
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私の実家がある地方でも、冬になると白鳥が渡って来ます。
小さい頃、えさみたいなのをやった覚えがあるのですが、今は事情が変わってきましたね。
鳥から変異した新型インフルエンザの脅威が報道されていますし、心配になります。
by YAP (2008-11-25 07:57)
ほどほどに距離が必要ということですね。
野鳥たちにはいつまでも元気な姿を見せて欲しいから、
仕方ないですね。
・・・・超望遠が必要なのでは!
by まぐろとわさび (2008-11-25 16:55)
>YAPさん
この問題は、"何で白鳥さんにエサをあげちゃいけないの?"と、子供の
純粋な心を傷つけてしまいそうですね。これも時代の流れなのでしょうか。
by basashi (2008-11-26 06:05)
>まぐろとわさびさん
いえいえ、超望遠の前にフルサイズのデジカメが...^^;
先日、EOS 5D MarkⅡのプレミアム発表会に行ってきてから、心が
グラついています。でも、そうなったら超望遠も必要かぁ。
by basashi (2008-11-26 06:12)
餌付けで白鳥が飛来していたのは
不自然だったという答えがでましたね。
お祭り騒ぎは終わりです。
人間の欲のためにやっていていいことはないのです。
鳥インフルエンザが人間に感染したら、餌付けどころではありません。
自然な状態で初めて人間も鳥も幸せに暮らせることができます。
大山の上池、下池は餌付け無しで白鳥が越冬しています。
by zam (2008-12-18 02:21)
>zamさん
白鳥への餌付けには賛否両論ありますね。私もどちらかというと餌付け
には反対なのですが、一方で酒田市白鳥を愛する会は、怪我をした白鳥
を一時的に保護し、元気になったところで群れに戻すという地道な活動も
しています。これで野鳥に対して無関心になるのではなく、これからも暖か
い目で野鳥たちを見守ってあげたいですね。
by basashi (2008-12-19 00:50)