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日本の空が外資に切り売りされる日 [馬さし経済研究所]

新聞各紙の報道によると、日本航空、全日空の相次ぐ関空路線から撤退、減便により、海外
の航空会社による関空発着の国内線運航を認める方針とのことです。

関空空港.jpg

路線の廃止や減便が相次ぐ関西国際空港を支援するため、国土交通省が海外の航空会社
に対し、関空発着便に限って国内線の運航を認める方向で検討していることが明らかになった。
すでに海外航空各社に打診を始めており、前向きな姿勢を示す会社もあるという。

具体的には、関空を発着する海外航空会社に、同じ飛行機で国内の他の地方へ向かう路線
を新設することを認め、国内部分だけを利用することを可能にする。

一方、国交省は自国産業を保護する観点から、国内部分は、日本の航空会社との共同運航
(コードシェア)とする考えだ。同じ飛行機に、2社の便名をつけて運航することになる。

関空では、景気後退の深刻化によって旅客需要の低迷が進んでおり、国内航空会社による
路線の廃止・減便が加速している。1月にも日本航空が、国際線の関空-ロンドン、国内線の
関空-女満別などを、全日本空輸も、国際線の関空-大連などを廃止することを発表している。

このような状況に大阪府は1月30日、「関西3空港に関する提言」を発表。関空発着の国内
路線を国内航空会社が維持できない場合、海外航空会社が国内各方面へ運航することを
可能にするよう国交省へ要請する方針を明らかにしていた。

上記記事、写真は産経新聞より抜粋


この記事を読んだ時、本当に驚きました。
図らずも、こんな形でオープンスカイ(空の自由化)が議論されるとは思ってもいなかったから
です。これは航空政策による関西3空港の失敗の末、日本の空を外資に切り売りすると
いうことに他なりません。

これらの発言は、日本航空、全日空が相次いで関空路線から撤退、減便するとの発表に
対する大阪府、国交省の嫌がらせ、ならぬパフォーマンスだと個人的には思っているのです
が、役人がそんなことを安易に発言すべきではないと思います。もしそんなことを本気で考え
ているとしたら、国益を守るべき役人として失格と言わざろう得ないでしょう。

隣接する地域に二つの空港がある名古屋の場合、セントレアと県営名古屋空港で役割を分担
しており、セントレアは国際線と主要国内線、県営名古屋空港はジェイエアにより地方路線を
小型機で運航とすみ分けをしています。
(愛知県がJALに泣きついただけとの話もありますが...)

大阪も伊丹空港は原則小型機(リージョナルジェット機とプロペラ機)のみ就航と規制を強化
して、関空は国際線と主要国内線、伊丹は地方路線とすみ分けをしてみたらどうでしょうか。
そうすれば、伊丹空港の騒音問題も解決できますよね。

また、日本の航空各社も、「搭乗率の低い路線は撤退もしくは減便!」と言うだけではなく、
現在の羽田依存体質を改め、航空機のダウンサイジング化で極力路線を維持すべきだと
思います。

オープンスカイは、このように日本の国益を損なうような形で場当たり的に進めるべきでは
ないのです。
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とり

これはビックリ仰天ニュースですね。
どうなることやら・・・。
しかし所長、いつも難しいテーマを簡潔にまとめておられますね。
オイラも見習いたいです。
by とり (2009-02-05 21:42) 

basashi

>とりさん
いつも当研究所の報告書をお読み頂き、ありがとうございます。^^;
テーマの性格上、どうしても記事が長文になってしまうのが悩みどころ
です。とはいえ、記事のかなりの部分は色々なところから集めた文章を
切った、貼ったが主なんですよ。
by basashi (2009-02-07 16:57) 

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