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小笠原に空港は必要か [馬さし経済研究所]

ふと小笠原に行ってみたくなり、”どうやって行くのかなぁ”と調べてみました。
やはり行くのは大変そうだなぁ。

小笠原って東京都だったんですね。
でも、東京から小笠原に行く唯一の手段は船だそうで、片道26時間30分もかかります。
それも6日に1往復だけの運行とのこと。ほんと外国よりも遠い絶海の孤島ですよね。

                 

この問題を解消するため、国は超高速船TSLを建造し船もほぼ完成したようですが、ここにきて
計画が暗礁に乗り上げてしまいました。超高速船は燃費が悪く、原油高などにより赤字が
年20億円出るためだそうです。
超高速船が就航すれば、所要時間が17時間に短縮され、週2、3便に増便される予定だった
ので、地元の方はがっかりですよね。

                 

また、島には病院はあるも入院施設は無く、急病人が出た場合には自衛隊の飛行艇が本土
から飛んできて搬送しているとのこと。普通なら直る病気も、手遅れになってしまう可能性が
あるそうです。

これを受け、小笠原に空港を作る計画が再浮上しているとのこと。
これにはいくつかの案があるようなのですが...

1.旧海軍が作った飛行場を再利用して空港を建設する。
  洲崎には旧海軍が作った700mの飛行場跡地があるようですが、これを再利用するにして
  も海の埋め立てを伴った滑走路の延長が不可欠です。

  通常、航空機が離着陸するために必要な滑走路の最低限の長さは、プロペラ機で
  1200m、ジェット機で1500mくらいでしょうか。でも、東京から1000kmも離れていて、
  代替空港も近くに無い(硫黄島を除く)とすれば、もっと長い滑走路が必要になると思います。
  たぶん単発のセスナ等は洋上飛行ということで、就航できないんじゃないかな。

2.東京-小笠原に飛行艇を飛ばす
  私は、最初この案が一番現実的なのかなぁと思いましたが、東京にも飛行艇の発着施設を
  作る必要があります。横浜港が候補に上がっているようですが、船舶の往来が激しいので、
  危険だと思うのですが...
  また、飛行艇はフロートの空気抵抗により巡航速度が遅いという欠点もありますね。
  あと飛行艇の騒音、振動に驚いて、イルカ等が寄り付かなくなり、観光に影響が出るかも
  しれないなんて意見もあります。

               

3.海上自衛隊の硫黄島の滑走路を官民共同で運用する
  硫黄島には海上自衛隊の基地があり2650mの立派な滑走路が整備されています。これを
  利用して東京-硫黄島をジェット機で結び、硫黄島-小笠原はヘリやジェットフォイル等で
  結ぶというものです。しかし、現在硫黄島への民間人の立ち入りはできません。自衛隊が”
  どうぞお使い下さい”と言うとは思えませんね。

             

4.新たに空港を建設する
1)メガフロート空港
  海に滑走路となるフロートを浮かせるという方法ですが、小笠原は外洋なので難しいかも
  しれません。建設費も莫大なものになりますね。
2)陸地に新空港を建設
  多額の建設費と貴重な小笠原の自然が破壊される恐れがありますが、やはりこれが一番
  現実的なのでしょうか。

どれもあまり良い案ではありませんが、何か良い方法はないものでしょうか。
現在小笠原に観光に出かけている方は、自然をこよなく愛している人だと思うので、長い船旅
もあまり気にしないのでしょうが、もう少し気軽に行ける小笠原になってほしいですね。

                 


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コメント 8

ぷらぷら

小笠原は一度は訪れてみたいと思っていますが、確かに空港が無いから気軽に行く事は出来ないんですよね。
でも、折角の自然を壊してまで空港を作って欲しくは有りません。
私としては、小松や三沢の様に硫黄島を使えるようにしてくれればと思います。
先日、島じまん2006と言う、伊豆・小笠原諸島のイベントに行って来たのですが、各島まで行かなければ味わえない物が色々出ていて良かったです。
今はこの様なイベントでしか感じられないけど、何時かは行ってみたいですね。
by ぷらぷら (2006-05-31 19:01) 

basashi

島の利便性と自然保護、相反する問題ですね。
私の個人的な意見を言わせて頂ければ、必要最低限の社会整備はすべき
と思っています。未来永劫、物資は6日に一度だけでは...
でも、空港が出来て沢山の観光客が押し寄せたら、それはそれでいろいろ
と問題が起こるんでしょうね。
by basashi (2006-06-01 17:11) 

konchi

小笠原に行くの大変そうだなあと思っていましたが、思い切って行ってみると、行っていない人が考える程、ネガティブな旅では有りませんでした。おが丸って単なる交通機関ではないんですよ!おが丸の25.5時間って、小笠原と言う異空間に行くために必要な時間のような気がします。
時代の流れとして、いつか高速な移動手段が出来ると思いますが、小笠原の魅力を満喫したければ、新しい交通機関が出来る前に小笠原を経験すべきだと、お勧めいたします。
もちろん、船酔い対策をしっかりしてですよ!
by konchi (2006-10-27 22:02) 

basashi

konchiさん
なるほど、小笠原と言う異空間に行くために必要な時間とは、ぴったりの
表現ですね。
そういえば、昔まだ京葉線が無かった頃、東京ディズニーランド(TDL)に
行くためには浦安駅からTDL行きのバスに乗らなくてはいけなかったの
ですが、そのバスに乗っていると、だんだん”TDLに近づいているんだぞ”
と思い、気分がHiになった記憶があります。
今は京葉線が出来て便利になりましたが、駅を降りたらすぐTDLなので、
あんな気分の盛り上がり方にはならないかもしれません。
by basashi (2006-10-28 09:40) 

マリオ・デ・ニ-ロ

うぅ~ん難しい問題です。観光客としての小生にとっては今のままの小笠原であって欲しいのですが島民としては空港があったほうが断然便利で安心した暮らしが出来るでしょう。役場には「空港実現!」の横断幕も張ってありましたし。
将来小笠原を「世界遺産」にと言う声もありますし。そのためには現状維持が必要でしょうし。
国・都の補助でUS-1を島民専用で運用したり。そんな税金の使い方なら許す。
複雑な心境なのでnice!は控えさせていただきます。スミマセン。
by マリオ・デ・ニ-ロ (2007-01-09 23:46) 

basashi

アスランマリオさん
東京-小笠原航路って、日本では数少ない黒字化路線のためにこの
ような無謀な超高速船TSL計画を押し付けられてしまったようですね。
とはいえ、今後ずっとこのような状況が続くのも考えものです。
せめて東京-小笠原航路を増便して常時3日に1往復程度にすれば、
適切な人数の観光客が常時小笠原に滞在できるし、島民の生活も
それによって多少安定するんじゃないでしょうか。

US-1を島民専用で運用したら一年間でどのくらいの赤字になること
やら。^^;
by basashi (2007-01-10 08:47) 

海

もし貴方の大切な人が、または貴方自身が3時間以内に手術を受けなければ亡くなるとしたらどうですか

肉親が危篤な時、連絡を受けてから1週間しなければ駆け付ける事も出来ないとしたらどうですか

そこまででなくとも、貴方のおうちの冷蔵庫が壊れ、新たに購入しても1~2週間届かない挙げ句、本体より高い送料を請求されたらどうですか


それでも自然のほうが大切な方は、小笠原の住人と居住地を交換した上で空港に反対すれば良いと思います。
by (2016-01-05 21:09) 

basashi

>海さん
私は小笠原空港の建設には賛成でも反対でもありません。
この記事を書いてから約10年経ちますが、一向に進展がないことに残念な思いがあります。
とはいえ、10年間に技術の進歩もありました。沖縄では評判の悪いオスプレイですが、自衛隊に導入されたら小笠原に給油設備を作り、離島での救急搬送に貢献できれば島民の方も少しは安心できるのではないでしょうか。
by basashi (2016-01-07 00:20) 

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