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茨城空港は必要か(新たな需要の可能性) [馬さし経済研究所]

前回は茨城空港の概要について紹介しましたが、今回は茨城空港の持つ可能性について
考えてみたいと思います。

茨城県は茨城空港開港後の需要予測を国内の就航路線を北海道・大阪・福岡・沖縄と
想定して年間約81万人と算出しています。

しかし、各航空会社は2010年の羽田、成田の発着枠拡大にばかり関心が向き、開港まで
10か月を切ったにも関わらず、茨城空港には全く興味を示しません。現在のところ、茨城
空港への就航を正式に表明している航空会社は、韓国のアシアナ航空のみです。これも
韓国仁川空港のハブ空港化を強力に推し進めている韓国の国策の一貫と言っていいで
しょう。このままでいくと、茨城空港の開港さえも危うい状況になってしまいます。

そこで、茨城空港を有効に活用する良いアイデアがないものかと、自分なりにいろいろと
考えてみました。その一つの案として今回提案させて頂くのは、茨城空港の運営を民間
に任せるということです。

イギリスのブリストル空港は外資に空港を売り、空港の経営をプロに任せたところ、利用
客を年間200万人から630万人へと大幅に増やすことができたそうです。
但し、茨城空港は自衛隊との共用空港であり、開港後は民間機の離発着は一時間に
一回との制限があるそうで、このような商業ベースに乗せることはできないでしょうし、
一日一便の運航頻度ではビジネス客を取り込むことも難しいでしょう。

そこでこのデメリットをどうメリットに変えていくかということになるのですが、現在、茨城県
ではアジアの格安航空会社に茨城空港への就航を求めてPRをしていますが、その考え方
を一歩進めて、格安旅行会社に運営を委託するという案はいかがでしょうか。
大手格安旅行会社は何社かありますが、ここでは便宜上、業界を代表する格安旅行会社
のHISと仮にしておきます。

茨城空港の旅客業務をHISに委託するとどうなるかを考えてみました。
HISは茨城空港を拠点の一つとし、世界各国に自社のツアー客向けにチャーター便を運航
して、午前中は欧米、午後は東南アジア、夜はハワイと飛ばすようになるでしょう。
これを効率良く行うとすれば、一時間に一便という頻度は最適かもしれません。

それにチャーター便であれば、週末のハワイ、東南アジア便や、大リーグ、サッカー観戦
ツアー等の柔軟な対応も取れ、定期便のように利用客の少ない時間帯に航空機をわざ
わざ飛ばす必要もありません。

また、空港の駐車料金が無料で、航空機の着陸料等の減免措置があれば、利用客は
空港まで自家用車で気軽に行くことができ、パッケージ料金を成田空港利用より安く
すれば、北関東を中心に広域集客ができるのではないでしょうか。

何より、茨城空港=HIS専用空港というブランド力がつくメリットは計り知れない強みとなる
でしょう。

現在の格安旅行会社は、各航空会社から出る余剰の座席、つまり副産物を商品化する
ことで急成長をしてきました。しかし、現在のような景気低迷が続けば、航空会社も航空機
のダウンサイジング化等を行い、適切な供給座席にしようと努力するでしょう。
そのようなことを考えると、これからは、格安旅行会社が自前で航空機を乗務員ごとリース
するという選択肢もあるかと思います。

この提案、皆さんはどう思われますか。


茨城空港の関連記事はこちら

第一回 茨城空港は必要か(空港の概要)
http://basashi-diary.blog.so-net.ne.jp/2008-08-11

第二回 茨城空港は必要か(新たな需要の可能性)
http://basashi-diary.blog.so-net.ne.jp/2009-07-10

第三回 茨城空港は必要か(自衛隊から見た茨城空港)
http://basashi-diary.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23

第四回 茨城空港は必要か(茨城県企画部空港対策課からの回答)
http://basashi-diary.blog.so-net.ne.jp/2009-08-07

第五回 茨城空港は必要か(スカイマークが茨城-神戸線に就航)
http://basashi-diary.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09

第六回 茨城空港は必要か(空港はさながらアミューズメントパーク)
http://basashi-diary.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23
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YAP

なかなかおもしろい提案だと思いますが、やはり年間を通じて利益を上げるというのは難しいと思います。
ツアーという商品がひとつの飛行機を埋めることは難しいと思いますし、仮にできたとしても、その人数をツアーでコントロールをするのは難しいでしょう。
もちろん、行った先でのアクティビティを分けて複数のツアーを航空便のみまとめる等、できる対応もあるでしょうけど。
けど、こういうアイディアを持ち寄って、開港前からミソのついてしまった空港を盛り上げるということができるといいですね。
やはり地方空港が元気にならないと。
by YAP (2009-07-11 19:13) 

basashi

>YAPさん
茨城空港の将来が危ぶまれる中、どんな茨城空港であれば自分が使って
みる気になるかという目線で考えてみました。ちょっと状況に無理な部分が
あるかもしれませんが、仕事を終えた金曜の夜、車でそのまま空港に行き、
週末はハワイで過ごすなんてスケジュールであれば使ってみたいなと思い
ました。
by basashi (2009-07-12 09:36) 

とり

大胆な案ですね。
ビックリしました^^

しかし一時間に一回なんて制限があるのですね。
どういう経緯でこんな発着枠ができたのでしょうか?
わざわざ平行滑走路作るというのに・・・

茨城空港にはかなりしたたかな戦略家がいるみたいですから、
今後に期待してます。
by とり (2009-07-20 21:59) 

basashi

>とりさん
この案、茨城県にも「私の提案」という形で提案しています。
茨城空港は自衛隊との共用空港であり、開港後の維持管理費(空港
ビルを除く)は全額国負担で、茨城県は負担する必要がありません。
それに加えて、民間ターミナル側に平行誘導路がないことが1時間に
1回の発着制限と関係しているのではないでしょうか。
by basashi (2009-07-23 22:39) 

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