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中国の経済発展とモノマネ文化 [馬さし経済研究所]

岡本真夜さんが1997年に発表したシングル曲「そのままの君でいて」が、上海国際博覧会
(上海万博)の公式PRソングとして使用されることが発表されました。

当初公式PRソングには2004年の公募で選ばれた「2010等你来」(2010年はあなたを待っている)
が決定していましたが、この曲と「そのままの君でいて」との酷似が指摘されており、万博実行
委員会が「そのままの君でいて」を公式PRソングに起用を依頼することで決着しました。



2010等你来(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=5Q3iDrc6uoE&feature




岡本真夜 / そのままの君でいて(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=hax6v5GcB-w&feature

しかし、中国ではこの手の話は特別なものではなく、日常茶飯事に行われています。

中国の歌手大張偉さんが歌う「偏偏愛上洋葱」という曲ですが、1994年にリリースされた
スピッツの「空も飛べるはず」にそっくりだと話題になっています。

「空も飛べるはず」は、1996年1月からフジテレビのテレビドラマ「白線流し」の主題歌として
起用され、スピッツの中でも150万枚を売り上げたヒット曲で、「チェリー」、「ロビンソン」
に次ぐヒット曲であり、スピッツを代表すると言ってもよい作品です。



大張偉 / 偏偏爱上洋葱(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=qtmzHfuounU




スピッツ / 空も飛べるはず(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=h-kQw4JqCHE

似ているのはサビの部分だけかと思ったら、全パートにわたりメロディーがそっくりな曲ですね。
強いて違いをあげれば、技量のない歌手でも歌えるように編曲されていることくらいでしょうか。

「偏偏愛上洋葱」を作曲した「大張偉」氏にはいくつかのパクリ疑惑があるようですが、これらの
疑惑に対して大張偉氏は、「(パクリと疑う人は)音楽がわかっていない」とコメントしています。


中国の経済成長は、安価で製品を作れること(=労働単価の安さ)で支えられており、日本を
はじめ欧米各国の多くの企業が中国には生産拠点を作り、「中国は世界の工場」と言われる
ようになりました。
経済危機により世界全体がマイナス成長と予想される2009年度も、中国は6%超の経済成長
をしています(アメリカはマイナス4%、日本はマイナス6.6%)。

しかし、経済成長すれば生産コストが上がるため、資本はよりコストの安い地域へと逃げて
いくのが常です。

また、中国政府は必死に為替介入をして、人民元の為替レートを固定し、元高=ドル安相場を
阻止していますが、アメリカなど輸出先の国々からは「中国製品が安価なのは不当な為替
相場(元が安すぎる)だからだ」という、強烈な圧力が掛かり続けており、今後は徐々に元高の
為替レートに向かっていく事でしょう。

この経済の流れは、戦後日本の経済復興の歩みと酷似していますが、日本はただ外国製品
のモノマネをするだけでなく、それに付加価値を付け、カイゼン活動をして品質を向上すること
により評価されるようになりました。

今年、中国のGDPは日本を抜いて世界第2位になると言われていますが、中国もこのような
ものまね文化を終わらせ、独自の工夫をしたモノづくりをしようとしない限り、中国経済の更なる
発展は難しいのではないでしょうか。
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コメント 2

YAP

自動車業界でも、中国車はモノマネ度合いがずば抜けています。
よくここまでやるなあと、呆れてしまいます。
ただ、低い労働コストで信じられないパワーでモノを作る能力はあるので、これから恐い存在になるかもしれません。
by YAP (2010-05-15 22:31) 

basashi

>YAPさん
中国の自動車生産台数が1000万台を超え、新車販売台数も1300万台
を突破して世界一になったとの報道がありました。
中国メーカーがどんな車を生産しているかは別として、国内に巨大な
マーケットがあるという強みは大きいですね。
by basashi (2010-05-16 21:12) 

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